食品添加物は本当に危険なの?大切なのは「量」の検証!

名古屋栄、美脚・O脚改善専門のパーソナルトレーナーをしている佐藤伸哉です。

今日は私の仲間内で話題になったことをブログネタとして書きます。

最初に断わっておくと、オーガニック、自然派志向の方にとっては不快に感じる内容かもしれません。

【2019年6月5日追記】
Twitterで呟いたところ少し拡散されたので、同じように感じる人が多いんじゃないかなと思い補足の為に追記します。

 

 

事の発端はグリシンのサプリメント

あるトレーナーさんが、「グリシン」というサプリメントを推していました。

睡眠の質を上げる効果があるとして販売されているサプリメントなのですが、

「コンビニおにぎりや弁当に書いてあるグリシンやアミノ酸って毒だから危険じゃないの?」

「アミノ酸は自然のものから作られないと安全じゃないの?」

とまた他のある方から質問がありました。コンビニおにぎりには調味料としてのアミノ酸や、グリシンが含まれています。

いわゆる食品添加物です。

最初に断わっておくと、私は食品添加物は使わずに済むならそれで良いと思っています。
ただし、その存在を頭ごなしに否定することは

他人をいたずらに不安にさせる

として間違っていると思います。

 

では話題の「グリシン」の毒性で知られているのは
http://www.fsc.go.jp/ike・・・/pc7_hishiryo4_glycine_240223.pdf

のラットを用いた試験です。

[ip5_coloredbox color=”colored-box–gray” width=””]以下引用~~~

急性毒性試験
ラットを用いたグリシンの経口投与による急性毒性試験における LD50(半数致死量) は、約63,340 mg/kg 体重であった。

慢性毒性及び発がん性試験
ラット(F344 系)を用いたグリシンの飲水投与(2.5 及び 5.0 %:1,250 及び 2,500mg/kg 体重/日に相当)による 108 週間慢性毒性/発がん性試験が実施された。
雌雄ともに用量に依存した体重減少、腎乳頭部の壊死が、また雌の 8 %(2.5 %群)及び6 %(5.0 %群)に腎盂乳頭腫が認められた。
NOAEL は設定できなかった。(参照 3、4、5)

~~~引用以上[/ip5_coloredbox]

まず私の思い込みではなく、事実だけを並べます。

【その場で異常が出るかどうか=急性毒性試験】

実験では確かにグリシンに毒性は確かめられています。

ですが、これは仮に体重60kgの人間に換算すると

「60×63340mg=3,800.4gを一度に取れば、約半数の人が死に至る」と言う実験結果です。

3キロの粉を水に溶かして飲めって言われたらそりゃ死ぬわって感じです。

グリシンのサプリメントにおけるガイドラインとして一日3gですから、余程少量です。

【長期的に見ても異常は出ないか=慢性毒性及び発がん性試験】

長期的に摂取すれば異常は出ますが、実験では人間に例えれば非常識な量です。

慢性毒性試験では
人間に換算すると体重60kgの人が一日当り75gを2年間以上取り続けて8%の個体の腎臓に異常が出ました、という結果です。

一日75gって、プロテインでもそんなに飲まないです。

前述した一日3gでは異常は出にくいと考えられます。

【自然由来=安全とは限らない】

自然由来であっても人工物であっても、安全か否かは量で決まります。

自然由来、天然由来なら安全だと言うなら、良い反証があります。

食品添加物のアミノ酸の一つで、「味の素」が例に挙げられます。

味の素の主成分である「L-グルタミン酸ナトリウム」はサトウキビから作られるので天然由来ですよね。
画像は味の素のサイトより

L-グルタミン酸ナトリウムに関しても「危険だ!」とする意見は根強いです。
 
ですが、「L-グルタミン酸ナトリウム 危険」と検索すればネガティブな意見のサイトはいくらでも出てきます。

そこでは是非一次情報を確認してください。 

「一次情報」とは「言い出しっぺはどこのどいつだ?」となる論文や実験結果だと思っていただければいいのですが、ネガティブな情報を載せる一方で量に対する見解は示されていないことがあります。

【ここからは私見です】

食品添加物としてのグリシンも、味の素の成分であるL-グルタミン酸ナトリウムも、
「アミノ酸」
という表記で一本化できる為、

「何が入っているか分からない」という不安感から
 
「食品添加物のアミノ酸はキケン」という認識を持つのだと思います。

 
だからと言って盲目的に安全だとも言えません。

食品添加物としてのアミノ酸に慣れすぎると

「濃い味じゃないと物足りなくなる」
「微妙な味の差が分からなくなる」

と言うのは私も経験上あります。

結果としてナトリウムの摂り過ぎで高血圧や食べ過ぎによる肥満のリスクが増える、

と言うなら危険とも言えます。

全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ

この見出しは「毒性学の父」として知られるパラケルススの言葉です。

私は「○○は毒」と言う言い方にはかなり慎重に見るようにしています。

繰り返しますが、
「どれくらいの量で人体に毒性をもたらすか」
が重要だからです。

また、紹介されていたサプリメントに限らず、味については好みが分かれます。

味の素のL-グルタミン酸ナトリウムや、グリシン、人工甘味料の味でも同様です。

私がサプリメントをすすめるなら、

「味が不味く感じるものは続かないのでやめていいですよ」

などと言うと思います。

じゃあ他の○○は危険じゃないんですか?と思うあなたへ

これはもうハッキリ言って「自分で一次情報を調べて検証してください」と言うしかありません。

検証といっても、毒になるかならないかは量で決まるので簡単な算数ができれば十分検証可能です。

インターネットの普及以来、裏を取らないまま流れる情報が多くなってしまいました。

「素人の自分にはわからないから」

とインターネットや本のタイトルにつられて根拠の薄い不安におびえるのか?
冷静に判断して、自分の知識として落とし込むのか?

それを決めるのは自分自身なのです。

無理のない食生活の改善でダイエットをしたいのなら、ジムの問い合わせで食生活に対する質問をぶつけてみてもいいかもしれませんね。